ディプロマ取得者インタビュー/伊藤太乙さん

自分が学んで、本当にいいものだと実感。
たくさんの方に煌道の暮らしの流儀を知ってほしい

家庭懐石の本科を修了した伊藤さん幼少期から長唄のお稽古に通い続けている伊藤さん。着物姿で舞台に上がることもたびたびあるそうで、そのためか身のこなしが丁寧な印象です。今回、煌道家庭懐石の本科過程を修了した伊藤さんに、煌道との出合いから本科ディプロマ取得までのこと、そしてこれからのことを伺いました。

旭川で家族と暮らす伊藤さんは、もともとマナーに興味があり、ビジネスマナーの講師になるため、東京へ通って勉強をしていました。そんな中、友人に誘われて参加したのが煌道のパーティーでした。伊藤さんは煌道の目指す世界観に惹かれ、煌道生活文化研究所の扉をノックします。「我が家は来客が多く、おもてなし料理を習いたいと思って、家庭懐石の講座に参加しました。受講してみると、まさに自分が望んでいた、いやそれ以上の講座内容で、その後も通うことを決めました」。

料理やテーブルコーディネートの講座は世の中にたくさんありますが、歴史や文化的背景、科学的根拠といった側面からもしっかりアプローチする荒井先生と筒渕先生のレッスンは、知性と教養も身につけることができます。「うわべだけのテクニックを学ぶものとは違い、理論がきちんとあるので内容が深いし、それでいて先生の説明は分かりやすいので、とにかくレッスンが楽しいです」。学べば学ぶほど、煌道のレッスンにはまっていったと振り返ります。

家庭懐石の講座に通う傍ら、花のことも深く学びたいと、伊藤さんは花塾にも申し込みます。「母が華道をやっていたので、実家にはいつも季節の花が飾られていました。同じように自分でも家に花を飾ろうとするのですが、これがなかなか難しく…。ちょっとしたバランスや花の扱い方などをしっかりマスターしたいと思って、こちらにも通うことにしました」。

旭川から頻繁に通うのは大変だろうと荒井先生が配慮し、家庭懐石の講座のあとにレッスンを行ったり、朝から3コマ行うなど、個人レッスンで対応。「先生のそういったお気遣いがとても嬉しかったです。レッスンに通ううちに、もともと好きだった花がますます好きになりました」。

家庭懐石、花塾の2つのディプロマを取得した伊藤さん。煌道のレッスンを受けるようになってから、日常生活も変わったと話します。「花のある暮らしが当たり前になりました。花の選び方から教えていただけるので、花屋へ行くのも楽しいです。いただいた花束も、以前はそのまま花瓶に入れていましたが、今は自分でアレンジし、長持ちさせながら楽しむことができるようになりました。家庭懐石で学んだおもてなし料理や器の選び方、使い方は、来客時はもちろん大活躍ですが、日々の暮らしにも取り入れることで豊かな気持ちになれます。最近は、外食した際も器が気になるようになりました。煌道の良さのひとつに、良質なものや本物を選ぶ目が養えるというのもありますね」。

常に家に花があること、料理の盛り付けなどは家族からも好評で、特に夫からは煌道に通ってよかったねと言われるそう。「夫といえば、余談ですが…。実は煌道のパーティーに初めて参加する数カ月前、夫が札幌で友人たちと飲んでいた際、荒井先生と遭遇し、酔っぱらって声をかけていたようで…。そのことをパーティーの帰り際に先生にお話ししたら、覚えているとおっしゃって(笑)」。このとき、伊藤さんの夫は「あなたのファンです」と熱心に話し、荒井先生もその様子が印象的だったのでよく覚えていたそう。旭川生まれの荒井先生は、のちのち「ご主人のことも含めて、伊藤さんとはご縁があるのだろうなと思いました」と語っています。

伊藤さんに今後のことを伺うと、煌道コミュニケーション塾のディプロマも目指すとのこと。さらに、荒井先生と筒渕先生のアシスタントを務めながら、旭川でも煌道を広めていきたいと考えています。「自分が学んで、本当にいいものだと実感しているからこそ、たくさんの方たちに煌道を知ってもらいたいと思います。私自身もブラッシュアップしながら、子どもたち向けの花塾や、親子の味噌作りレッスンなどをしてみたいですね。また、ほかの方たちとのコラボレッスンなどもできたら楽しそうだなと考えています」。

いつも周りを気遣い、真摯な姿勢で学ぶ伊藤さんのディプロマ取得を、荒井先生と筒渕先生もとても喜んでいます。伊藤さん、おめでとうございます。これからも一緒に煌道の魅力を広く伝えていきましょう。

取材・文/中村昭子